vol3 国家を上げて開発された漢方薬

国家を上げて開発された漢方薬

 前回、様々な病気と関係する事として「瘀血は万病の元」というお話を書きました。狭心症等は「瘀血」と深く関わりのある代表的な病気です。その「瘀血」を改善するには血液をサラサラにする事が大切だと言うお話は前回の通りです。

トンセンホの漢方知恵袋 さて、日本では漢方薬と言えば何千年と大変古いものと思われがちですが、近代、中国の漢方業界では常に研究開発が行われ発展し続けています。例えば、狭心症等血液の流れを改善する目的の漢方薬を専門用語では「活血剤」と呼びますが、その代表的な処方として中国で最も有名な漢方処方は何といっても「冠心Ⅱ号方」です。「冠心」は冠状動脈の硬化による虚血性心疾患の総称です。この処方が開発された背景には、1960年代、中国人にとって大変なストレスだった文化大革命があり、狭心症などが国民の間で増加していました。

 また、当時の毛沢東主席は愛煙家で、その為気管支炎と心臓病を患っていました。そこで当時の周恩来首相は、国家プロジェクトとして狭心症に効く漢方薬の開発に着手し、この「冠心Ⅱ号方」という漢方処方が開発されました。その開発に関わった人間は、中医医者の郭士魁先生、西洋医者の陳可冀先生、薬理学者の李連達先生等中国では大変優秀な方ばかりです。

 その後、漢方処方「冠心Ⅱ号方」は注射液なども開発され、臨床では冠状動脈硬化症、狭心症、心不全、心筋梗塞、不整脈、高血圧、高脂血症などに幅広く応用され、また、動物実験でも血栓形成の予防、血液粘度の降下、血栓溶解の促進、血小板凝集の改善、冠状動脈循環の改善等に有効である事が確認されました。

 今ではこの処方に基づいた漢方薬が、日本、シンガポール、韓国などでも広く応用されています。中でも日本で製品化された「冠元顆粒」は、今年発売20周年を迎えた今でも日中医学交流の実りとして日本の多くの医師や大学教授が臨床研究に携わり学術交流が行われています。そして多くの方々の健康に役立てられているのです。

H23年04月15日付

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