漢方お悩み相談室 不妊と漢方

漢方お悩み相談室 不妊と漢方

H22年12月、H23年1月合併号

 10回にわたる連載の中で、多く取り上げられてきたテーマ「不妊」。今回は5店を代表し、全国の薬局・薬店で中医学のアドバイザーとして活躍する包海燕(ほうかいえん)先生に、漢方と不妊について教えてもらった。

 編集部(以下「編」) なぜ今、不妊が増加傾向にあるのでしょうか?

 包海燕先生(以下「包」) 主に最近の女性の生活習慣の変化が原因と考えられます。食事内容・ストレス・冷えなどに加え、晩婚化・女性の社会進出なども関係しているでしょう。女性の不妊は子宮筋腫・子宮内膜症・多嚢胞性卵巣症候群など疾患によるものも多く、漢方が特に効果的なのです。そして、男女ともに、睡眠時間が足りないようですね。相談者の約半数は精子の減少など男性側にも原因があり、疲れ切った夫婦のコミュニケーション不足も原因のひとつです。

 (編) 不妊治療における漢方の役割と、治療方法について教えてください。

 (包) 東洋医学は、人間が生まれながらにして持つ自然治癒力を高めることが基本です。体を整えて血行を良くし、子宮や卵巣の力を付けてあげるんですね。代表的な方法に「周期改善法」があります。漢方を使うと妊娠の確立は間違いなく高まります。掲載5店の中には1年で30人ほどの成功例があった店舗もありますよ。

 (編) 周期改善法について教えてください。

漢方お悩み相談室 不妊と漢方 H22年12月、H23年1月合併号 (包) 周期改善法は、「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」と4つに分かれる月経のリズム(表参照)に合わせて漢方薬を飲み分ける方法です。不妊の人はこのリズムが乱れている場合が非常に多く、漢方で「気」と「血」の機能やめぐりを本来の状態に戻し、「補腎」することで生殖能力を高めます。おりものや痛み・不正出血があるかなど、一人ひとりの状態に合わせて漢方を処方していきます。主に多く用いるのは、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)や参茸補血丸(さんじょうほけつがん)などの活血・補腎薬ですね。ただし、多嚢胞性卵巣症候群などの場合は、まず体質改善を行い、ペースを整えてから周期改善法に切り替えていきます。個人差を重視して使い分けられるのが漢方の長所です。

 (編) 最後に女性の健康について、中医学の視点からアドバイスをお願いします。

 (胞) 特に若い女性は、薄着による冷え・過度なダイエット・ストレスなどが将来の不妊を引き起こすと心得て十分に気をつけ、正常な月経のリズムを意識しましょう。お母さんも気をつけてあげてください。そしてゆとりある生活習慣を身に付けること。キャリアウーマンに効果が出にくいのは、仕事のストレスが原因です。不妊は西洋医学と漢方の併用が効果的ですから、自分に合った薬を選ぶためにも専門店である5店にぜひ相談してください。

包 海燕(ホウ カイエン)先生 ■包海燕(ほうかいえん) 中医学講師。
 内モンゴル医科大学中医系卒業。1991年に来日し、東京医科大学精神科教室にて博士課程終了。
 漢方薬と脳内アミノ酸の関係、特に抑うつのメカニズムを専門に研究。
 現在、日本中医薬研究会の専任講師として中医学の普及に努める。著書に「可愛い赤ちゃんをあなたに」「ストレスにやさしい生薬のいろいろ」など。


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